くまのばしょ

同じ地獄で待つ

ルカリオについて

ルカリオの話をする。

 

初めてルカリオと会ったのは、小学生のときの友達の家だった。友達の家には大乱闘スマッシュブラザーズがあり、自宅でゲーム禁止令を出されていた私は初めてのゲームに胸を高鳴らせていた。

「キャラクターを選んで戦うんだよ」

友達が教えてくれた。ゲームになじみのなかった私はどのキャラクターもあまりよくわからなかった。時間制限に焦りながらも、青くておなかのあたりがもふもふとしたキャラクターに目がとまった。

「ああ、ルカリオね」

友達が言った。そうか、この強そうでかわいい生き物は「ルカリオ」というんだな。

「でもね」

「見た目ほど強くないんだよね」

私の中で、ルカリオが「見た目ほど強くない」キャラクターとして確立された瞬間だった。その後のスマブラでは操作が分からず当然ボロボロに負けた。

 

ルカリオとの再会は、ポケモンスリープだった。正確には、進化前のリオルと出会った。捕獲した。

ルカリオほどもふもふしていない。持ってくる素材は貴重だが、スキルはいまいち(使いこなせない)。友達の「見た目ほど強くないんだよね」がこだました。

 

そして三度目の正直。ようやっと本家のポケモンを始めた。ポケットモンスターブリリアントダイヤモンド。

ジムリーダー戦でルカリオと戦うことになった。ジムリーダー戦をなめていた。その前のジムリーダー戦が簡単だったからだ。このバトルもルカリオが出てくるまでは余裕だった。アサナンゴーリキーだったと思う。ワンパンだった。楽勝だった。

そして満を持して3体目のルカリオ登場である。

また友達の声が響く。

「見た目ほど強くないんだよね」

なら余裕じゃん。そう思っていた。

 

ドレインパンチ

 

…?

 

手塩にかけて育てたペン様が、ムクバードが、バタバタ倒れていく。

嘘じゃん。

強いじゃん。

なんだよドレインパンチって。おかしいぞ!ずるいぞ!バグだ!(?)

あっという間に全滅した。

 

その後、編成を変えるなど工夫をして何度か挑戦してみたが、いずれも全滅。今はムクバードの進化を目指して草むらを這いずり回る日々だ。

 

ルカリオ

お前、「見た目ほど強くない」んじゃなかったのか。

悪かったよルカリオ

待ってろルカリオ

ムックルを一番強くしてからお前を倒すから。

 

あと友達、お前は許さない。

 

しゃけとば